ご納品後記:モノクロの絵は寂しい? 色の問題

弊社では、はじめてアートを購入するというお客様が、ほとんどですが、よくご相談をいただくのは、「色」についてです。
お好きなテイストをご自身でよく把握していらっしゃるお客様でしたら、あまり迷わず選んで行かれますが、
なんとなく漠然と、「絵には色がなくちゃ」と、テーマカラーを決めてお選びになる方もいらっしゃいます。
昨今はインテリアもシンプル&シックが主流です。
お部屋の中でも大きな面積を占めるラグやソファ、カーテンなどの色は、白やベージュ、淡いグレーなどでまとめられているでしょう。
そうなりますと、そこにモノクロの作品は暗くなる・寂しくなる、という先入観をお持ちの方もいらっしゃいます。
そこで今回は、モノトーンのコーディネートでも大変華やかな印象となったご納品事例を紹介します。
最初の事例は戸建ての注文住宅のお客様宅です。

 

 

作品はAmica Whincopのもので、グレージュ、黒、白で描かれています。
アクリル絵の具にインクを混ぜ、その滲みをそのまま画面に定着させ、スプレイで絵の具を散らし、偶発性を活かした作品です。
色はなくても、多様なタッチのレイヤー、濃淡、花びらのような広がりのある構図が、とても華やいでみ出ている作品です。

 

 

 

次にご紹介するのは2点ともタナカヤスオの作品です。
中央に黒でぐっと目を引く核を感じる構図、大きなストロークが空間にアクティブな印象をもたらしています。
パネルに油彩で描かれ、艶がありますので、Minottiの重厚なソファや遊び心のあるスツールとも、相性が良いようです。
黒い壁も、余白のあるこの作品を引き立てていますね。
どちらも暗い印象どころか、シックでありながらもユニークなお部屋になっていると思います。

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